anvil anim ダマスカス鋼との出会い anvil Updated April 4th,1999(for original)

 この物語は1988年に始まりました。偶然、私は「 La passion des couteaux(ナイフへの情熱)」 というフランスの雑誌の創刊号を読む機会を得ました。いくつかのナイフの写真が非常に 奇妙なパターンを描いている不思議な刃で私の好奇心を捉えたのです。それらの刃が 非常に実物らしく見えたので、幾つものミステリーは説明を持つ筈でした。

 私の探索にもかかわらず、ダマスカス鋼をどうやってつくるのか説明するフランス語の本を 見つける事が出来ずに、その事をあきらめる寸前でした。国内(米国)を旅行中に「刃とナイフ」 という雑誌の中で、JimHrisoulasさんの本の宣伝を見つけました。その本は「The Complete Bladesmith(完璧な刃物屋)」で私は何回も読みました。そしてダマスカスウィルスが完全に私を 汚染してしまいした。私は実体験によって、本の知識を完全なものにするための、いくつかの 装置を探し始めました。そして、裏庭に手フイゴ、金床、一本足の万力の作業台のある小さな 鍛冶場を持つことが出来ました。また、ハンマー、金火箸、ヤスリのような手作業工具の全てを 買いました。

 ダマスカス鋼を始める前に、基礎的な鍛造技術についての全てを学ばねばなりませんでした。 フランス語で私達は「鍛造を知って鍛冶屋になる」というような言い方をします。しかし、 これは部分的な真実です。基礎的な鍛造技術に加えて、それぞれの工程で結果を分析し、 強さの変化を理解しながら「何故こうか?」「何故そうか?」と疑問を持ち、5回くらいも自分に 問い返しながら、正しい行動をしなければならないのです。 鍛造というのは、気の長い地道な作業ですが、しかしまた、素晴らしい喜びの源泉の一つでもあります。

 自分が鍛造と鍛接技術を手中にしたと考えた頃に、私は ケーブルダマスカス(Cable Damascus)から始めました。私の読書がその方向へと導いたのです。ケーブルダマスカスの ほうが他のタイプよりも単純に見えたのです。エレベータに使われるワイヤロープのいくつかの 切れ端を見つけて、Jim Hrisoulasさんが推奨している作業手順のすべてを言葉通りに始めました。 それは大変な仕事量でした。ケーブルワイヤーが溶接されたときは鋼の音楽を聴いて喜び、又、 酸によるエッチングの後に咲く水の流れのようなパターンを見るのは素敵でした。最初の経験は 大変に報いの多いものでした。

作者 Georges Emeriau (米国) (翻訳注:この頁は、1999年5月29日に藤間弘道が日本語に翻訳したものです。)

gemeriau@aol.com

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