ダマスカス鋼との出会い
Updated April 4th,1999(for original)
ダマスカス鋼を始める前に、基礎的な鍛造技術についての全てを学ばねばなりませんでした。 フランス語で私達は「鍛造を知って鍛冶屋になる」というような言い方をします。しかし、 これは部分的な真実です。基礎的な鍛造技術に加えて、それぞれの工程で結果を分析し、 強さの変化を理解しながら「何故こうか?」「何故そうか?」と疑問を持ち、5回くらいも自分に 問い返しながら、正しい行動をしなければならないのです。 鍛造というのは、気の長い地道な作業ですが、しかしまた、素晴らしい喜びの源泉の一つでもあります。
自分が鍛造と鍛接技術を手中にしたと考えた頃に、私は ケーブルダマスカス(Cable
Damascus)から始めました。私の読書がその方向へと導いたのです。ケーブルダマスカスの
ほうが他のタイプよりも単純に見えたのです。エレベータに使われるワイヤロープのいくつかの
切れ端を見つけて、Jim Hrisoulasさんが推奨している作業手順のすべてを言葉通りに始めました。
それは大変な仕事量でした。ケーブルワイヤーが溶接されたときは鋼の音楽を聴いて喜び、又、
酸によるエッチングの後に咲く水の流れのようなパターンを見るのは素敵でした。最初の経験は
大変に報いの多いものでした。
作者 Georges Emeriau (米国) (翻訳注:この頁は、1999年5月29日に藤間弘道が日本語に翻訳したものです。)
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