ヴァイキイングの船


 8世紀から12世紀にかけてスカンジナビア半島に原住し、ヨーロッパ各地に 活躍したヴァイキイングは、航海術にも長けていたが、青銅器・鉄器の長い伝統を持ち続け、 発展させていきました。
 これはスカンジナビア半島に眠る、豊かな鉱脈が容易に採掘出来たことによります。鍛冶屋は 職人の身分では最高位で、鉄を鍛え又、焼入れする技術も持っていたようです。彼らが初めて 鎖を船舶の係留用に用いました。
 右の画は10世紀ごろのヴァイキイングの商船ノーアに付いていたものです。デンマークの フィン島で発見された錨には30フイート以上の鎖とその先にホーサーの残りとが付いて いた。
                               (星と舵の航跡、P62)

  しかし、それ以降、数世紀の間、アンカーチェーンの使用例は見当たりません。
 18世紀の始め、世界は大航海時代に入り、世界貿易の増加と共に、大きな商船が発達し始めた。 船舶の大型化と共に、各種の技術開発が進んだ。船体の強度を増す為に木造船の外側に鉄板を張り 始めると、従来の麻のロープがすぐに切れてしまう。
 そんな時、アンカーチェーンの使用が始まりました。


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