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夢通信 衣川製鎖工業株式会社
ふいごの話 1 (10 月号)
鍛冶屋とふいごは切っても切り離せない、深い関わりを持っています。
それは鉄を加工する高温を、維持するのには重要な道具だったのです。ふいごの発達は、炉の改良と
あいまって金属加工技術を向上させてゆきます。
『もののけ姫』には主人公アシタカが女たちと交代して踏む、踏みふいごが登場しました。
初期の鍛冶屋は、ふいごと炉、ハンマーと火箸があれば出来たのです。もちろん腕は必要でしたが。
ふいごの歴史は古く、紀元前から使用されていました。今回、紀元前1500年、テーベの
レクマラの墓の壁画を紹介します。
炉の左右に足踏み式のふいごが見えます。中央のるつぼに入れられた金属が溶かされ、テーブル上の
鋳型に注入されている様子が良く分かります。矢尻でしょうか?短刀でしょうか?兵士が剣を持った様子が
描かれています。
このふいごは皮を張った偏平な鉢形のふいごをヒモで引張あげて膨らませ、その空気を足で踏みつけて、
風を送ります。右端で肩に長方形の糸巻のようなものを担いでいますが、これは『雄牛の皮形地金』と
よばれ、地中海域で多く造られた、精練された地金で、溶かすだけで製品が出来たのです。
テーベ : 古代ギリシャのポリス(都市国家)
の一つ
るつぼ : 坩堝と書きます、金属を溶かすための耐熱性の器
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