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   夢通信    衣川製鎖工業株式会社

金屋子さん    (4月号)


 「金屋子さんは偉い神さんや、たたら場でいつもおがんどるんや。お蔭でいい鉄が出来るし、 何といっても操業中に事故が無いんや、以前、ケラ出しの炉を突き崩す時、熊手が外れて天秤山から 後ろにドスンと落ちた職人さんがいたが、下に有った道具にも当たらず、全く怪我もしてなかった。 ありがたい事や、ほんまにええ神さんや」。ケラ出しの後、『村下座』で休憩している時、木原村下は しみじみと語りました。
たたら師たちは、金屋子神を大切にします。たたら操業に入る前には必ず全員そろってお参りをします。 この鳥上木炭製銑工場には敷地内に社があり、又、たたら場の小鉄町の上にも神棚に鎮座しておられます。 ケラだしの後にはここでお礼のお祈りをします。この金屋子神には以下のような言い伝えがあります。

太古ある旱天の日、土民が集まって雨乞いをしていたところ、7月7日の申のさかりの刻に、 播磨国宍相郡岩鍋という所へ高天原から一神が天降りました。そして神託して申されるには、 われはこれ金神である。今よりあらゆる金器をつくり、悪魔降伏、民安全、五穀豊穰のことを教えようと、 かくして磐をもって鍋をつくりたもうた。故にこの地を岩鍋という。しかし、 ここには住たもうべき山がなかった。そこで、われは西方を司る神なれば西の方へ赴かんといって、 白鷺に乗って飛び立ち、出雲の国能義郡黒田が奥、桂木の森に着きたまい、 桂の木に羽を休めていたまうところ、たまたま狩りに出ていた安部氏の祖正重なるものが、これを発見し、 やがて神託により長田兵部朝日長者なるものが宮社を建立し、神主に正重をなし、 神みずから村下となりたまい、朝日長者は炭と粉鉄とを集めて吹きたまえば、 神通力のいたすところ鉄の涌くこと限りなし。    (金屋子神社由緒略記による)
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