トルコでもこのような、アコーデオンタイプの革吹子(かわふいご)を使用している古い方式の鍛冶屋は、
もはやわずか数軒になってしまっている。煉瓦(れんが)を積んだ炉床(ろしょう)基盤の中央に火床(ひどこ)
をつくり、そのうえに煉瓦と粘土で炉体と煙突を築く。吹子は金床(かなとこ)などを配置した作業台とは反対の側に設けられ、
これを助手の子供が押し引きして送風する。親方が一人で鍛造(たんぞう)しながら吹子の操作をする場合は、
助手が握っている吹子の桿(かん)に長い横捧を取りつけてこれを手前側から押し引きする。
(ドグ メルメルチ氏1987年7月撮影)
鉄の文化 窪田蔵郎 著 小峰書房 1995年
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