<ブラジルのゴム>

 ゴムの木は私達が花屋で見かけるだ円の大きな葉のインドゴムと言う、観葉植物とは 異なります。(一応ゴムは採れるが、質が悪い)東南アジアで栽培されてるのは ヘベア・ブラジリエンスと言う、トウダイグサ科のゴムの木で高さ20〜30m。 6〜7年でゴムが採れるようになり、15〜20年で収量が落ちてくるものです。 種子はうずらの卵ほどあるそうです。
 19世紀まで生ゴムはすべてブラジルに自生しているヘベアから作られました。
1,850年  1,466トン、それが、自動車の発明により
1,911年 44,296トンにまで需要が伸びました。
 アマゾンの河口から1,000キロも逆上ったマナオスの町でゴムの取引が行われて いました。世界中からゴム商人が集まり、町は活気にあふれ、一人当たり、最も富んだ 町にまで発展したそうです。南アメリカで最初に電車が走り、夜は不夜城のごとく街灯が 輝き、豪華なオペラハウスも建設されました。

 ところが、このヘベアの木は一平方キロに 数本、ポツポツとしか自生していませんでした。需要を満たす為に、ゴム業者は インディオ達にひどい仕打ちを加えてかき集めだし、1人150本のヘベアを受け持たせ 1日に20〜30キロも歩かせました。インディオ達は疲れと病気、けがの為に次々 死んで行きました。
 1,900年〜1,911年の間に4,000tのゴムを採る為になんと3万人もの 死者がでたそうです。世界中からの非難によって、ゴム業者は仕事がこれまでのよう に行かなくなりました。と同時にマレー半島での人工栽培のゴムが安価に出回りだし、 ブラジルの繁栄は一挙に終息の方向に向かいました。




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