鳥浜の赤い櫛


 日本では、ベンガラはいつ頃から使われ始めたのでしょうか?

 福井県に縄文時代のタイムカプセルと呼ばれている、鳥浜貝塚があります。若狭湾の三方五湖に 注ぐハス川と高瀬川の合流点近くで、この遺跡は縄文時代の草創期、約1万2千年前から5千5百年前まで 栄えたもので、低湿地の地下3m〜7mの深い地層に遺物が含まれています。ここからは土器や石器以外に、 古代の大きな丸木舟や瓢箪(栽培種)の種、ベンガラ漆で塗られた赤い櫛が出土しています。 この櫛は女性の結んだ髪に飾りとしてつけられたものですが、どんな美女がこの櫛を着けた のか興味深々です。この遺跡からは奇妙な遺物、糞石が3千点も出土しています、その分析 から当時の食生活や栄養状態が推測出来るようです。

 赤漆は生漆(きうるし)を精製しベンガラを加えます。こんな技術が縄文時代にすでに 発達していました。又、同じく縄文時代の矢瀬遺跡からは、ヒスイの勾玉(まがたま)など と共にベンガラを入れた香炉型のミニチュアの土器が出土しました。

赤い櫛の絵をクリックすると 三方町縄文博物館 のホームページに飛びます。
http://inoues.net/museum/mikata_museum.html


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