「鉄の歴史−その技術と文化−」フォーラム  第3回公開研究発表会

 7月28日(土)東京工業大学で開催された表題のフォーラムに参加しました。 千葉工業大学の寺島慶一先生からご案内いただいたものです。午前9時45分より、 昼食休憩を挟んで午後5時まで、久しぶりに長時間の講義を受け少々疲れましたが、充実した内容でした。  フォーラムは大学の先生方や企業の研究員など様々な方々が以下のような研究発表をされました。

『ふいご祭の来歴小考』『たたら製鉄炉地下構造の役割と歴史的変遷』
『3世紀代の鋼精錬遺構と出土遺物の解析』『鉄滓の判定をめぐって』
『製錬及び精錬滓中の微量元素挙動』
『近世の薩摩藩政下における鉄生産について』『古銃身の鍛造加工について』
『名大鍛冶大工渡部平助翁の自作鍛冶火箸とその素材』
『近代洋鋼の普及とある刃物産地の成立−伝経技術の継承と変容−』
『砂鉄連鎖の技術世界一この国の技術文化のルーツを探る』
『大和型戦艦用表面硬化甲板について』
『鉄道レールの我が国における製造と品質の変遷過程』


 特に興味を持ったのは、ふいご祭の来歴小考、寺島慶一(千葉工大)と 近代洋鋼の普及とある刃物産地の成立−伝統技術の継承と変容、香月節子(東京農大)でした。





香月節子先生は 『むらの鍛冶屋』  の著者です。和鉄の衰退と洋鉄の輸入により鉄と鋼の流通経路が変わり、 販売形態が大きく変化した日清戦争以降、大活躍した 河合商店  (ブランド名東郷ハガネ)は私の興味をそそりました。

 ちなみに主催者と協賛者は以下の団体で、次回にも参加したいものです。
主催:日本鉄鋼協会 社会鉄鋼工学部会「鉄の歴史−その技術と文化−」フォーラム
協賛:たたら研究会 日本鉱業史研究会 産業考古学会 鉱山金属分科会
   製鉄遺跡研究会

写真は講演中の香月節子と河合商店(東京、日本橋)明治35年・明治43年建設

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