さびない鉄には孔があく


 鉄とステンレスの錆び方は全く異なっています。鉄の錆びは全面に発生し、 木の皮が剥がれるようにポロポロと落ちてゆきます。それに対してステンレスは 一部分のみ腐食が進行します。孔食が代表的なものの一つです。不動態化した表面の 一部の被膜が破れるとその部分だけドンドン腐食されます。他の部分が正常なままのため、 材質が違うとか、加工方法が悪いとか、クレームの対象になりやすいのですが、 使用環境や使用状況を確認しながら、最適の材質と製造方法を検討してゆきたいものです。
 孔食が発生しやすい場所は、曲げ加工をした部分や打撃を加え応力の残った部分や 熱影響を受けた部分、大きな荷重のかかった近傍などです。
特に海水近くで使われるステンレス(SUS304やSUS316)は要注意です。

写真は漁網に使われたSUS304のシャックル
使用期間約3ケ月 腐食が大きく進んでいます。


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