天羽吹 2   


 わが国で初めて記録に登場する、ふいごは『日本書記』に出てくる天羽鞴(あまのはぶき) という皮袋のふいごです。この本では、天香山の金(かね)を採り、日矛(ひぼこ)を作るのに、真名鹿 (まなか)の皮を全剥(うつはぎ)にして作ったとされています。この皮袋は『布岐加波(吹皮)』 ふきかわとよばれ、これが後に『ふいご』に変化したという説が語源として有力とされています。
図1は岩手県の小林家に伝わる製鉄絵図で平安時代に描かれたものです。6個の皮吹子によるたたら製鉄の様子です。



 元来、ふいごは動物の皮をはぎ取って、袋状にし、押さえて風を送ったのでしょう。
 外国の例を調べると、紀元前8世紀から4世紀まで、ヨーロッパを支配したローマ帝国のふいごが 文書に記録されています。ローマ帝国は、強大な軍事力の背景に、鉄を生産し加工する技術を持って いました。用途に応じた、金床・ハンマー・火箸などが開発され使用されていました。 ふいごもその一つで図2のような形をしたものが主流でした。
 このふいごは山羊の皮を縫い合わせています。大きなものは牛の皮から作られ、ふいごを動かすのに 2枚の板を
持っています。大きなものはテコが利用されていました。


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