斧づくり 2

工程図1
 また火床を見てみましょう。なにがつくられているのでしょう。火床で熱せられた鉄はとりだされて、 鎚でたたかれると少しくぼみました(A)。鉄が冷えて灰色に変わるとまた火床で熱し、熱いうちに 同じところをたたいて、それをひっくり返して反対側からもくぼみをつくっていきます。それをくり返すと、 小さなくぼみは、だんだん大きなくぼみになり、とうとうくぼみがつきぬけて穴があきました(B)。
 鍛冶屋さんは、赤くなった鉄の一方のはしに切れ目をいれました(C)。そうして別にもうひとつ、 小さな鉄のかたまりを用意して(D)、切れ目とその小さなかたまりとに、粉をかけました。 それから切れ目にその小さな鉄をすばやくはさみこむと(E)、トントントンと鎚でたたきます。 この鉄はくっついてひとつになりました。はさみこんでつけた小さな鉄はハガネといって、 鉄のなかでも特にかたい鉄です。このハガネのところが刃先になります。かけた粉はハガネを つけるために必要なもので硼砂(ほうしゃ)といいます。
 それをまた火床で熱し、いくどもたたいて先をうすく延ばして刃物の形にしていきます。
 そろそろ何がつ作られているのかわかってきました。木を切ったり割ったりする時に使う斧(おの)です。 はじめにあけた穴は柄をさしこむところでした(F)。

戻る 進む