1779年、イギリスのバーミンガムの西、約100Kmのコールブルックデン。
セヴァン川に鉄の橋が架けられました。その名はアイアンブリッジ、世界初の鉄の
橋です。コークスによる製鉄を発明したアブラハム・ダービーの孫、ダービーV世ら
はこの橋の建設に意欲を燃やし橋の建設委員会に請願書を出します。ダービーV世は
建設の責任者に任命されますが、初めての鉄橋はそう簡単に事が進みません。橋の
安全性や建設に係る膨大な資金と鉄など、問題は山積しダービーV世は建設の責任者を
解任されたりしました。しかし、熱心な推進者達の努力によって無事完成しました。
この橋はトーマス・ブリチャードの設計により、全長40M、幅7.3M、高さ
30Mです。この橋にはねずみ鋳鉄が約400トン使われました。当時の高炉1基の
生産量が1週間20トン程度ですから4ケ月分の生産量に匹敵し、その使用量から見ても、
すごく大きなプロジエクトだった事が知られます。
アイアンブリッジの安全性は1795年に起こった大洪水で証明されました。多くの
橋が流されましたが、この橋は無事残りました。これ以降、新しい橋は鉄で造るという
動きを誘いました。
この橋を中心にして、現在、アンアンブリッジ渓谷博物館として『川の博物館』や
『鉄と溶鉱炉の博物館』『陶器博物館』など5つの博物館があり、技術史や産業史を
勉強出来るようになっているそうです。一度は訪ねてみたい場所です。
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