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   夢通信    衣川製鎖工業株式会社

ベンガラ格子(12 月号)

 長浜で見た北国街道沿いの名家、安藤家はベンガラ格子でした。長浜をはじめとして
雪のたくさん降る地域、特に北陸では柱・門柱・破風にもベンガラ漆が塗られ、特有の
赤色が雪に映えます。
 長浜を案内頂いた、稲垣さんは魔除の為にベンガラを塗るのだと説明されました。私は、
本当に魔除??ベンガラって何??なぜ??いつごろから??等々、持前の好奇心が
ムクムクと沸き上がりました。ベンガラは弁柄・紅殻などと書きますが、私には日本語で
無いように思われます。
 ベンガラ−−ベンガル−−インド−−古代の製鉄−−ダマスカスの剣−−鉄鉱石
想像がどんどん膨らんでゆきました。これは面白そうだと思い、調べて見ることにしました。
 オクサイドレッド;日本語大辞典の色名解説には赤錆色に近い赤にこの名前がついて
いました。説明文には『石器時代にも知られていた人類最古の赤色顔料。酸化第二鉄を
主成分とする。特に有名なものにインド産の赤がありインデイアンレッドと言われて
います。』この顔料の出荷されたベンガル地方という言葉が日本に入り、赤錆色そのものを
ベンガラと言うようになりました。しかし、『色の手帖』によるとインデイアンレッドと
ベンガラ色とは少し異なっていました。
 ベンガラの製造法は比較的簡単で、鉄分を含む黄土を焼くと出来上がります。人類最古の
壁画と呼ばれる、スペイン北部にあるアルタミラの洞窟のヤギ・ウシ・シカの絵もベンガラ
など天然顔料で描かれたものです。この洞窟の絵は約1万年前、旧石器時代の後期に
描かれたものです。


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