
宮山古墳 (11月号)
自宅から1kmほどのところ、四郷町坂元に、小山を利用して造られた円墳の宮山古墳が
あります。直径は約30メートルで、円筒埴輪をめぐらしていました。この古墳には、
上に二つの石室がならんでおり、その下にまたもう一つの石室がありました。上の一つが
荒れていたので、1969年(昭和44年)に調査していると、南にもう一つ発見されました。
その後、この古墳はブルドーザーでけずられることになり、その工事中に下の第三の石室が
発見されたのです。
第三石室は、完全な姿で残っていました。たて穴式の石室に木棺が納められ、棺の中には
銅鏡・たれかざり付き金の耳かざり一対・銀の指輪・剣・ガラスや石製の小玉約3千個などが、
そして棺外には短甲・胃・各種の武器・農具・馬のくつわ・土師器や須恵器の壷などが副葬されていました。
第二石室からは、銅鏡・銀をはめこんだすばらしい環頭太刀(かんとうたち)をはじめ
刀剣40本・たれかざりつきの金の耳かざり一対・鉄の矢じり数10個・石製の小玉約7千個などが
出土しました。
このような豪華な品々とともに葬られた者は、この地方の豪族であったにちがいありません。
とくに二対の金の耳かざりは、細かな細工をした見事なものです。これは、技術の進んでいた朝鮮で
作られたものだろうといわれています。又、鉄斧、鉄鎌、鉄テイも出土しています。当時の日本と朝鮮との
関係を研究する上で、大切な資料です。宮山古墳は現在、古墳公園として保存されています。
この古墳は5世紀後半に造られたものです。
鉄テイ(金偏に延と書きます) [Iron Plate]
朝鮮半島や日本の古墳などから出土する、両端が少し広がったバチ形あるいは長方形の鉄板、日本の出土としては,
宇和奈辺古墳陪塚(大和6号墳)からのものがもっとも数多く、また知られている。
日本で鉄鉱石を還元し鉄が生産されるようになるまで、朝鮮半島から鉄素材として輸入したものとされる。
日本書紀にも記載がある。
(金属の百科事典による)
参考図書
神戸市立博物館 総合案内 1996年
郷土史 ひめじ 姫路市教育委員会
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