「フランス百科全書絵引」
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この本の刊行は1762年1月に開始され、幾多の苦難を克服して1772年に全11巻として完結しました(後に補遺1巻)。
日本語に翻訳されたのは、「平凡社大百科事典」完成記念出版として1985年9月に、平凡社より発行されました。
この本の所在を教えて頂いたのは豊橋工業高校の石田正治先生で、先般もドイツ語の本を貸していただきました。
鍛冶屋の絵が欲しいと依頼したところ、この本を紹介されました。インターネットの古書店で購入しい、今、机の上にあります。
全12巻を1冊にしてあるため、絵が小さくなっていますが、B4版 850ページの大作です。前書きには、
以下のように書いてありました。
百科事典は、その時代、その国における人々の夢の結晶であり、ユートピアの表現である。そのことを見事なまでに
示しているのが、この《フランス百科全書絵引》にほかならない。
18世紀のフランスにおいて、ディドロ以下のいわゆるアンシクロペディスト(百科全書派)たちは、
ルイ王朝下の旧制度を打倒するためには、真理の普及こそが急務であると固く信じ、白ら工房に足を運び、
職人に教えを乞い、白ら機械を操作し、《百科全書》の項目(アルテイクル)を執筆すると同時に、
画家および彫版家に綿密な指示を与え、熱意をこめて図版解説(エクスプリカシヨン)と部分名称(ノマンクラチュール)を
書き上げ、ここに3000点を越える銅版画が成ったのである。(以下略)
右の図は錨鍛冶の様子
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