10月13日(日)早朝、ホテルより起き出し新見市役所の近くの、たたら製鉄再現会場に出向きました。 しつらえられた『たたら』は新見たたら保存会・上市小学校ミニたたら2基・招待された大野刀匠(岐阜県)・ 黒鐵会(くろがね会:高知県)、準備中のものが4基、合計8基大小さまざまなたたらで古代製鉄の再現です。

 新見市の古代製鉄再現は4年目で、紺色の作務衣に真っ赤の『炎』刺繍のついた、たたら保存会の人々や 市役所の職員、青年団員、小学校のPTA、日刀保(日本美術刀剣保存協会)たたら(島根県横田町)より、 木原村下ほか数名、大勢の人々がすでに働いています。『押して、引いて』『押して、引いて』ふいごに風を 送るのは近くの大学生です。昨夜からズーットふいごを吹き、疲れのため声の出なくなった人もいる様子です。
 午前8時を少し過ぎると子供達が大勢やってきました。川の側の会場全体が急ににぎやかになりました。 炭割り、砂鉄入れ、炭入れなどなど決められた役割を必死にこなしています。顔中真っ黒にして炭を割る 児童の姿に活力を感じました。

 午後3時前から『ケラ出し』が始まりました。大野刀匠のところが一番早く、黒いケラが顔を出しました。 もう何十年も自分の作刀に使う鉄は自分で吹いている。良い刀を作るためには自分の納得する良い鉄が必要なのだ。 そう語る刀匠の顔に自信がにじみ出ていました。
 最後のケラ出しは一番大きな、新見たたら保存会です。24時間操業のため、昨夜は一睡もしていない メンバーもいます。疲れがその極に達し、炉を壊す最後の作業中にぶっ倒れる人も出ました。 予定の時間よりは少し遅れましたが、立派なケラが顔を出しました。

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