「フィンランドの鍛冶屋
Heimo Roselliの業績」を紹介します。彼の会社Roselli Oy (Ltd) のHPも見てください。
ダマスカス鋼は今日では、パターン溶接型刃が良く知られています。他の型はオリジナルの
ダマスカス刃で、これはウーツ鋼(Wootz鋼)と呼ばれる超高炭素鋼から鍛造されるものです。
この鋼自身はインドで伝統的に作られ、有名な刃はダマスカスで作られていました。それらは
魅力的で、見映えのする表面パターンを持っています。
ウーツ鋼(Wootz鋼)の製造技術は遠い過去に失われてしまいました。多くの研究と実験が
この失われた秘密を発見しようとして為されてきました。米国では、A.Pendrayが何年も
掛かって、Wootzナイフを作りました。フィンランドでは、ウーツ鋼(Wootz鋼)の失われた秘密が鍛冶屋
のHeimoRoselliに6年間の研究へと息を吹き込み、終に、1997年に、彼の執念は報われ、
ウーツ鋼(Wootz鋼)を製造する彼独自の方法を発見しました。
Roselliのウーツ鋼(Wootz鋼)の炭素含有量は1.7%であり、結果として、大量のカーバイドが生成され、
鍛造の間に、カーバイドが刃に沿って整列させられます。このカーバイドが刃のエッチング
された暗い表面に白いパターンとして見られます。Wootz刃は異様に良く切れ、”かかり”ます。
そして、通常の炭素鋼の刃に比べて長く、鋭さを保っています。
Pendray、Verhoeven、Daukshさん等の研究からの取材。
博物館で見られる、16-18世紀の有名なダマスカス鋼刃の製造技術は遠い昔に失われた。
しかし、最近の研究は次の理論を支える有力な証拠を確立している。刃の上に現れる
はっきりした表面のパターンは、カーバイドバンドの生成(Carbide-Banding)現象に
よるもので、この現象自体は、刃が鍛造されるWootzインゴットかなに存在している、
少量のカーバイド生成エレメントのミクロ的な分離(microsegregation)によって
引き起こされるものです。
更に、ダマスカスパターンを持つウーツ鋼(Wootz鋼)ダマスカス鋼は、適当な不純物を含んだ
鉱石鉱脈を持つインドのそれらの地域から、供給されたWootzインゴットからのみ
製造されたのかもしれないという事のようです。
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