さびない鉄柱

　インドのディリーに鉄柱が建っています。これはクワト・ウル・イスラム寺院の境内にあって、クトウプの円柱といわれています。直径は４００mm、長さ７．２５m で、地上に６ｍそびえているのです。錬鉄製で重さは約６，０００kg ということです。この鉄柱は約１，６００年という長年月、風雨にさらされているのですが、さびないことで有名です。なぜこの鉄柱がさびないかというのは神秘的な謎として語りつたえられています。さびないのは鉄の性質そのものがよいからだといわれています。
　この錬鉄製鉄柱がさびない大きな理由は、信者の一人一人が鉄柱を撫でるので、この手脂がついて防錆効果を示しているというのが、どうもホントのようです。またさびは気候風土によっても大いに左右されるもので、乾燥地帯ではさびにくいのです。これもあずかって力があるのかも知れません。インドのディリーならずとも乾燥した環境で、油脂がつけばさびることはないでしょう。
案外こんなところがインドディリーの鉄柱がさびない秘密かも知れません。

（参考図書鋼のおはなし大和久重雄日本規格協会）
（参考図書ナイフマガジン６５ 1997/8）


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