新幹線を止めたサビ


 平成元年1月16日、JR山陽新幹線西明石−姫路間で起きた架線切断事故の原因を調べていた JR西日本は8日「架線張力調整金具のターンバックル(ステンレス製)が『粒界腐食』と 呼ばれるさびのため強度が弱まって切断、架線が垂れ下がったところに新幹線のパンタグラフが 激突した」と正式発表した。(平成元年3月9日 毎日新聞)

 綺麗なステンレスは家庭の台所・風呂場を始め、建築・上下水道・輸送機器・食品機械家電機器・ エレクトロニクス、OA機器・医療機器、化学機械、プラント等あらゆる分野で使われるようになってきました。
 しかし、『ステンレスは錆びないし、強度の低下も殆ど無い』と思われがちですが、ステンレスも錆ます。 そして、鉄とは異なったサビの発生をします。上記、毎日新聞の記事にも聞き慣れない『粒界腐食』という 言葉が出てきました。以下のような色々の腐食形態があります。
 ステンレスはたとえさびが発生したとしても、普通鋼のように全面的にさびで覆われて板厚が減って ゆくようなことはありません。ステンレスのさびの発生、腐食はミクロ的に表面のもっとも弱い部分から 発生しはじめて、点々と局部的に発生します。大部分のさびは、初期の段階でそれを除去するとさびの 進行を防止することができます。

下の図は腐食の種類をおおまかに図示しました。


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