腐食の原理


 海洋環境にさらされる鋼の腐食は電気化学反応で起こります。つまり鋼の表面に 電解液(海水など)があると、鋼の組織の不均一などにより陽極部(+)と陰極部(−) を持つ局部電池が形成されます。その結果、陽極部から陰極部に(腐食)電流が流れます。 このとき陽極部では鉄の原子が電子を失って鉄イオン(Fe++)となって水中に溶け出します。 また、水は水酸イオン(OH−)と水素イオン(H+)に分かれており、鉄イオンと水酸イオンが 結合し水酸化第一鉄(Fe(OH)2:さびのもと)ができます。
 この水酸化第一鉄が水中又は空気部の酸素と反応して水酸化第二鉄(Fe(oH)3:赤さび)ができます。
用 語

電解質   :水などの溶媒に溶けてイオン化し、その溶液が電気伝導性を持ち、電流を
       流すと電気分解現象を起す物質
電解液   :電解質を水などの溶媒に溶かした溶液。電解質溶液とも言う。
電解    :電気分解のこと
電解    :電解質に電流を流して電気化学反応を起させること。
電解    :電解質中に浸せきした電極に電流を流し、電極において電気化学反応を
       起させること。
電解研磨  :主として酸溶液中で電気化学的に表面を研磨する方法。
電気メッキ :メッキしようとする物を陰極として、メッキ液中で電気分解し、
       表面に金属を析出させること。
電気メッキ :金属イオンを含む電解質溶液を電解し、陰極物質上に金属の薄膜を
       付けること。

参考資料  JIS工業用語大辞典による


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