鉄は自然界に酸化物として存在する鉄鉱石を利用しています。エネルギーを加え、 還元して、金属としての鉄を取り出しています。安定した、酸化物の状態を壊して 人間の利用出来る物質に変換しました。
　しかし、自然は人間が加えたエネルギーを無にするのです。エネルギーはまるで 谷底へころがり落ちるように低下してゆきます。鉄は水を媒体として酸化し安定な形に もどってゆきます。それがさびるという事です。自然の営みによって人間は膨大な損失をこうむります。
　何とかさびないように、そう考えた中から、種々の防錆技術が生まれ、発展してきたのです。

参考図書　　錆びと防食のはなし　　松島　巖　　日刊工業新聞社　　1987年

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