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かんなと錨

 大工道具は兵庫県三木市の特産品です。それらの道具の中に鉋(かんな)が あります。鉋は刃の部分は日立金属の『やすぎ』はがねを使いますが、台になる 部分は古い錨や鎖を再利用します。専門家は『砥石当たりが良い』などと言い ますが、私にはその理由がはっきりとはわかりません。多分、古い鉄というのは 錬鉄で出来ているのではないか?と考えています。
 1995年2月 三木市に住む鉋匠 千代鶴 貞秀さんに取材しました。気さくな 老鍛冶は家の庭に下関市の沖合いで引き上げられた4爪錨を立てていました。 爪の先端部は鉋の材料に切り取って使いましたが、あまり立派な錨だったので 記念に残されたそうです。『 目をとじて 心明るき 神の前 』老鍛冶は 師匠 千代鶴 是秀(東京)の言葉を座右の銘とされていました。
 三木市の 金物資料館 には彼の作品(夕凪という名の鉋と黒とかげの切出し ナイフ)が飾られていました。

取材ご協力 千代鶴 貞秀 (神吉 義良)