吹差ふいご

 昔、11月8日のこと。ある鍛冶屋に客が来たので仕事を終え、 酒を飲んでいました。その時、逃亡者らしい者が逃げ込んできて、かくまってほしいと言う。 それで吹子の中へかくしその上に神酒、燈明、食べ物、それにしめ縄を張り礼拝しているふりをしました。 すると逃亡者を出せ、と追手がやって来ました。家中を探しましたが見つからず、最後に吹子に目をつけ 中を見ようとした時、「今日は吹子祭なので明日にしてほしい」と言いってその場を逃れました。 そして吹子の中をみると、居るはずの逃亡者がいなくなっていました。
 その後、その鍛冶屋が繁盛したので、毎年11月8日に吹子の祭りをするようになりました。


          

鉄山必要記事(鉄山秘書)、下原重仲によつて江戸時代(1784年)に書かれた
たたら製鉄に関する書物に出てくるふいご祭りの縁起を現代の言葉に直しました。



☆ 各地の、ふいご祭りに関する資料がございましたら、お知らせください。

右中の絵は水車駆動の吹差ふいごです。絵をクリックすると詳細が見えます。

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