ふいご祭  横山 大観

『 鞴祭 』(ふいごまつり)         横山 大観

                           明治30年(1897)頃
                           絹本彩色・軸装 
                           横山大観記念館蔵
 鞴(ふいご)祭は鞴を使う鍛冶工、鋳物師(いもじ)が守護神である稲荷神を祭る神事である。 祭りの日には鞴を清め、御神酒、赤飯を供え、親戚や知人を招いて宴をはり、蜜柑を投げて拾わせた。

 本作品では、子供達が屋根の上から投げられる蜜柑を奪い合う様子が生き生きと描かれている。 我先に蜜柑を拾おうとして、相手の髪の毛を引っ張ったものの、逆に頭を押さえつけられ、 お互いに身動きの取れなくなっている少年や、逃げまどう犬の姿から祭りの日の活気が漂ってくる。 大観はしばしば子供の姿をえがいているが、本作品はそのなかでも動きのある作品として興味深い。

この『鞴祭』の絵(コピー)は、画家の成田訓子さまより頂いたものです。


鞴祭りは『夢通信』 2008年11月号にアップしました。

感想やご意見をお送りください。投稿も大歓迎お待ちしています

戻る 進む