伊和大神 (播磨一宮)   (1月号)

 前回、たたら大橋のことを調べた時、大三島にある大山祇神社が伊予一宮であり、古代の製鉄に関わりのあることに気づきました。 一宮と言われる各地の神社の多くが製鉄や鍛冶に関係があるのでは?と考え、播磨一宮の伊和神社を訪れました。
 姫路から北北西に50km、国道29号を北上し揖保川(いぼがわ)の上流、宍粟郡(しそうぐん)一宮町にあります。 もう少し北上し戸倉峠を越えると鳥取です、本当に県境に近いところです。路傍には2〜3日前に降った雪が残っていました。
 主神 大己貴神  (おおなむちのみこと)(大国主神)
 配祇 小彦名神  (すくなひこなのみこと)
    下照姫命  (したてるひめのみこと)

 国道に隣接した境内は1万6千坪、杉の大木で覆われ昼なお暗く、参道の燈籠は点灯されていました。 創建は古く144年とも564年とも伝えられ、『播磨風土記』にも登場し、延喜式には名神大の伊和坐大名持御霊神社 (いわいますおおなもちみたまじんじゃ)とあります。

 谷川健一著『青銅の神の足跡』によると、『播磨国風土記』の特色は砂鉄をめぐる先住神との苛烈な争いと言います。
 天日槍命(あめのひぼこのみこと)と葦原志挙乎命(あしはらのしこおのみこと)、天日槍と伊和大神との間の 闘争を各地で告げていることです。この土地争いは、前住者の占拠していた場所に後来者が侵入したという形をとる。 その目的は何かといえば、鉱物資源の獲得であり、具体的にいえば砂鉄が目あてだったと思われます。
参考図書

郷土史 ひめじ 姫路市教育委員会
青銅の神の足跡  谷川 健一  小学館 1995年




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