さびの色


 最も古代より使われていた色の一つがベンガラの赤褐色です。アルタミラの洞窟に描かれた 牛の絵もベンガラです。赤い色は血の色、誕生や再生を意味する神聖な色だったのです。
 酸化鉄を細かく砕き、漆に混ぜたベンガラ漆は縄文時代の遺跡(福井県の鳥浜)から りっぱな櫛が出土しています。最も珍重された赤い色は水銀の原鉱の辰砂です。
 さびの正体はオキシ水酸化鉄と黒さびと呼ばれるFe3O4、無定形物質です。 オキシ水酸化鉄(FeOOH)にはアルフアー(α)、ベーター(β)、ガンマー(γ)の3種類があります。
粉にして紙に塗ると、右のような色が出ます。さびと酸化鉄は同じではありません。 しかし、水酸化鉄(FeOOH)を300度くらいに加熱すると、水を出して、酸化鉄に変わります。







参考資料  錆びをめぐる話題 井上 勝也 裳華房 1994年


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