天秤ふいご


 たたらを踏むのは厳しい仕事です。辛さを紛らわす『たたら歌』を歌いながら、
大勢の番子が交代し、『けら』が生まれるまで踏み続けます。江戸時代末期(1691年)に
出雲地方で天秤ふいごが発明されます。このふいごでは、従来の踏みふいごとは異なり、
左右各1〜2名で作業が出来るようになりました。ちなみに、踏みふいごでは左右3〜4人が
同時に作業しました。
 この発明で、大幅な省力化が図れ、又、送風量が大量になり安定したことにより、鉄の生産量は
飛躍的に向上しました。発明された、出雲を含む中国地方のたたら場で特徴的に発達しました。
 順番を決めて交代することを『かわりばんこ』と言いますが、この言葉は番子が交代しながら
作業していたことに由来します。また、『たたら』と言う言葉は踏みふいごを意味した言葉が
製鉄全体を表す言葉になって行きました。

たたらを踏む女達『もののけ姫』に使われた音楽です。 『ポン太』様より頂きました。歌詞は以下です。
ひとつ ふたつは    赤子もふむが     みっつ よっつは     鬼も泣く 泣く
タタラおんなは   こがねのなさけ とけて流れりゃ 刀にかわる

  

参考資料
和鋼博物館への御案内   和鋼博物館           1996年
採鉱と冶金             日本評論社           1983年
現代産業技術           放送大学教育振興会   1993年
みちのくの鉄           アグネ技術センター   1994年

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