たたら考


小林家に伝わる製鉄図 部分
 たたら考

 『たたら』という発音が、製鉄というプロセスにあてはめられたのは、まさに奇妙です。たたらは 鑪・鈩・蹈鞴・踏鞴・高殿、など色々な文字で表されます。
 元々、踏みふいごのことか?平安時代(934年)の百科辞典、『和名類聚抄』には踏みふいごの事と書かれています。 江戸時代になって永代たたらが生まれその工場を高殿と書き、たたらと呼ばれました。

 たたらの語源

 中央アジアの民族タタール人が持っていふいた『皮袋』が、製鉄作業の送風器具(吹子)に使われたところから、 『たたら』と名付けられたとも、インド地方の言語『タタール=猛火の意味』から転化したとも言われます。 図は岩手県の小林家に伝わる製鉄絵図の皮吹子です。

 たたらを踏む

 歌舞伎や芝居の『たたらを踏む』という動作は、製鉄の時に風を送る『吹子』を脚で踏む動作と よく似ているところから、名付けられたという。
 ちなみに、先年大勢の人が見たアニメ『もののけ姫』にも主人公アシタカが踏みふいごを踏む場面がでてきました。

 野たたら

 古代の製鉄場所。製鉄に必要な風を得るため、風当たりの強い小高い丘の斜面に、くぼみを造り(火窪、ほと)、 これに砂鉄と木炭を入れ、竹製の管で送風して溶解還元させ、鉄を炉底に集める原始的なやり方。


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