心房細動とは。。。
心房細動とは不整脈の一種です。
不整脈とは心臓が全身に血液を送るために繰り返している収縮と拡張のリズムに乱れが生じた状態のことを言います。
心臓には「右心房」「左心房」「右心室」「左心室」の4つの部屋があり、心房細動とは文字通り右心房と左心房の両方が激しく震えるような動きとなる不整脈のことを言います。
心房細動自体はただちに命をおびやかすものではありませんが、血液の循環がめぐりが上手く行われなくなるために、心房内に血の塊(血栓)ができて脳梗塞の原因となったり、心臓の機能が低下して心不全を起こすことがあります。
心房細動の原因と症状。。。
心房細動は心臓に病気のある人だけでなく、加齢、高血圧、飲酒、喫煙、過労、ストレス、暴飲暴食、睡眠不足などによっても引き起こされることがあります。
心房細動では、動悸、息切れ、めまい、疲労感などの症状が現れることがあります。
ただし、無症状の方も中にはおられ、健康診断等の心電図検査などで初めて心房細動が見つかる場合もあります。
心房細動の種類。。。
心房細動は大きく3つに分類されます。
@発作性心房細動 7日以内に自然にとまる心房細動
A持続性心房細動 7日以上自然停止しない心房細動
B永続性心房細動 心房細動が止まらず、正常な状態に戻らない心房細動
心房細動から脳梗塞へ。。。
上述の通り、心房細動自体はただちに命を脅かすものではありません。
しかし、心房細動が持続すると、心房内の血液の流れが乱れたりして血栓ができやすくなります。
特に左心房にできた血栓が脳にとび脳の主要な血管が閉塞されると脳梗塞を引き起こします。
この心臓でできた血栓が原因で起こる脳梗塞を「心原性脳塞栓症」といいます。
心原性脳塞栓症を起こすと寝たきりや失語などの重篤な後遺症を残す可能性が高いことから、心房細動の患者さんは、血栓ができにくくなる治療を受け、脳梗塞が起こるのを予防することが大切になります。
→ちなみに心房細動をそのまま放置した場合、5%の患者さんが脳梗塞になるといわれており、
→脳梗塞患者の約30%が心房細動によるものと言われています。
心房細動の治療法は。。。
@心房細動以外の病気の治療や生活習慣の改善
心房細動は、心臓病、高血圧、糖尿病などが原因で起こっている場合があります。
また上述の通り、疲労やストレス、不規則な生活習慣が原因となっている場合もあります。
したがって、まず心房細動以外の病気の治療や生活習慣の改善を行うことで心房細動が起こらなくなることがあります。
A脳梗塞の予防
脳梗塞の原因となる血栓を作らないように血液が固まりやすくなっている状態を改善する主に薬物療法です。
【抗凝固薬】
名前からもわかるとおり「血が凝固するのを抗う薬」です。
ワーファリンやプラザキサなど。
B心房細動そのものの治療
【抗不整脈】による薬物治療や、【カテーテルアブレーション】といった不整脈が起こらないようにする内科的治療、
心房細動が起こったままで、心拍数をコントロールする【心拍数調節治療】、【心臓ペースメーカー】などがあります。
心房細動はきちんと管理・治療を行えば決して怖い病気ではありません。
規則正しい生活習慣を心がけ、定期的に検査を受け、医師の指示に従いましょう。
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