関節リウマチとは
関節リウマチとは、免疫の異常によって関節に炎症が起こり、腫れや強い痛みが生じる病気です。
放置すると軟骨や骨が破壊され、関節が変形したり機能障害を起こしたりします。
免疫と関節リウマチの痛みの起こり方
免疫とは体内に侵入したウイルスや細菌などの外敵を攻撃し排除する仕組みのこと。
免疫細胞が関節に集まり、自らの組織である骨膜を攻撃してしまうため関節に炎症が起こり、骨膜が増殖します。その影響で軟骨や骨が破壊されます。
免疫異常により、骨を作る骨芽細胞と、壊す破骨細胞とのバランスが崩れ、破骨細胞が活性化し、軟骨や骨が破壊されます。
⇒本来、外敵を攻撃するはずの“免疫”に何らかの異常が起こり自らの組織を攻撃してしまうことで起きる関節の病気なのです。
関節リウマチの診断
次の7項目うち4項目に該当すると関節リウマチと診断されます。
・朝のこわばりが1時間以上続く
・3箇所以上の関節に腫れがある
・手首、指の第二関節、第三関節のいずれかに腫れがある
・腫れが左右対称に現れる
・リウマトイド結節がある
・血液検査(リウマトイド因子、抗CCP抗体)
・エックス線検査による診断
関節リウマチの薬物治療法
以前は、副作用の少ない薬剤から治療を開始し、効果の不足に応じて切れ味のよい薬剤に変えていくのが原則でしたが、近年は発病早期から切れ味のよい薬剤を使用し、関節破壊を止め、寛解に導く治療へと変わってきています。
治療に用いられる薬剤 |
【1】主に痛みを軽減する薬
(1)非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
(2)ステロイド薬 |
【2】免疫の異常に働きかける薬
(1)抗リウマチ薬(DMARDs)
(2)生物学的製剤 |
生物学的製剤とは
生物学的製剤とは遺伝子工学的手法を用いて開発された薬で、生物が産生したたんぱく質を利用して作られています。関節リウマチの炎症や痛み・腫れ、そして骨や軟骨などの関節破壊を引き起こす原因となる物質を抑えることによりその効果を発揮します。
これまでの薬に比べ、生物学的製剤には非常に高い炎症抑制作用がありますが、副作用に関しても従来の薬よりリスクが高く、通常の薬に比べ高価なので使用の際には専門医との相談が必要です。
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