赤穂記念病院

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医薬品安全使用研修会
抗生物質製剤について
〜バンコマイシン塩酸塩〜

1月24日(月) 14:00〜  3F談話室
講師  沢井製薬
MRSAやクロストリジウム・ディフィシルに有効な「バンコマイシン散(内服)」について説明してもらいました。
今回はバンコマイシンなどの「抗生物質製剤」について紹介したいと思います。


   
抗生物質とは。。。

 病気の原因となる細菌は、野生の動物と同じように、自分の領域に他の菌が入ってくると栄養素をとらせないように相手を攻撃します。
 その時に出す物質のことを『抗生物質』といい、これを進化させ、薬として人間の体に活用し、病原菌と戦わせます。


細菌とウイルスの違い。。。

 いきなりですがインフルエンザはウイルスが原因ですが、O−157は細菌が原因です

 では「細菌」と「ウイルス」の違いについて紹介します。
 
  細菌   ・・・細胞を持っていて、自分の力で繁殖することができます。
 ウイルス ・・・細胞を持っていないので、他の生命体に入り込んで繁殖をしようとします。

 なぜ、ウイルスと細菌の違いを紹介したのか。。。

       それは。。。


                ウイルスに抗生物質が効きません!

   抗生物質は細胞の繁殖を抑えるので、細胞をもつ細菌には効果的ですが、細胞を持たないウイルスには効果がないのです。。。
              

 抗生物質の種類。。。

 抗生物質は大きく分けて、殺菌剤静菌剤とに区別できます。
 殺菌剤は菌を直接死滅させるのに対し、静菌剤は菌の発育を抑える物質です。静菌剤は薬の効果がなくなると菌は再び増殖を始めます。

 他にも細菌に対してどのように作用するかなどでも分類されています。
  
     ・細胞壁合成阻害     →  人間の細胞にはない細胞壁を攻撃して壊す働きをします。

     ・タンパク室合成阻害   →  細菌が生きるために必要なタンパク質を作らせない働きをします。
    
     ・核酸合成阻害       →  細胞の核酸(DNA/RNA)を作らせない働きをします。
  

ウイルス性の病気と抗生物質。。。

 先述の通り、ウイルス性の病気に抗生物質は効果がありません。しかし、風邪をひいたときに抗生物質を処方されることがあります。風邪はウイルスが原因で、抗生物質自体はウイルスにはまったく効果はありません。

ではなぜ、風邪の場合に抗生物質が処方されるのでしょうか。

 @病気の原因がウイルスかわからない(検査の結果が出るまでに日数も費用もかかる)

 Aウイルスが原因で病気を引き起こしても、細菌が増えて別の病気を引き起こす「混合感染」になることがある

これらの理由から、たとえウイルス性の病気であっても抗生物質を処方するのです。

 つまり風邪がこじれたり、病気が悪化するのを防ぐための薬として抗生物質が処方されます。


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