姫路城の鬼門よけ 松田 彰(姫路神社 宮司) 姫路鷺城ライオンズクラブ会員
皆さんは、家の鬼門については、もう御存じの事と思いますが、まず家を建てる前に
神主に来てもらい家を建てる土地を清めてもらいます。これは工事が無事に済むように
との意味もありますが、その前にこの土地を神様からお借りして家を建て孫子(まごこ)の
代々まで無事に過ごせるようにとお祓(はらい)をしてもらうのです。
そのお祓の中に鬼門よけの意味も含まれているのです。お祓の順序は北東の間(あいだ)から
時計廻りに四隅を祓います。これは、北東の間は鬼門、それも表鬼門だからです。又、裏鬼門は
南西の間、そして、お家(うち)が出来てから鬼門よけとして表鬼門に柊(ひいらぎ)、裏鬼門に
南天の木を植えますよね。又、私も時々見かけるのですが、わざと表鬼門に当たるところに家を
建てず欠けさせてあります。
姫路城の鬼門よけも同じように思います。ただお城は建物の規模が大きいのでお祓とか柊の木を
植えるだけでは不充分と思われた秀吉が築城の時、今から約400年ほど前に表鬼門に長壁神社を
祭りました。元の場所は石碑のみなっていて、竹垣が有り許可無くては行けません。
現在、長壁神社は本丸の最上階にお祭りして有ります。そしてお城本丸と長壁神社石碑の延長線を
たどると姫路神社が有ります。姫路神社の昔は姫路市本町、今の国道2号線(姫路信用金庫本町支店)、
元の本店の所に鎮座、昭和2年に今の姫山公園内に御動座なさったのもやはり鬼門除けの願いが
あったものと思われます。また、堀の石垣も直角にせず、欠けるように積んで有ります。
『姫路城昭和の大修理』(8年がかり)の時、長壁神社を姫路神社でお預かりし、お祭を致しまして
大修理を終えた年の6月1日に、改めて本丸最上階に御鎮座祭を致しました。そして今も県外から
鬼門除け、又、方除けと思われる姫路神社のお砂またはわき水を頂きたいとおっしゃる方が
よく来られています。ちなみに、姫路城の裏鬼門は景福寺に当たるそうです。
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