姫路から130 Km、岡山から岡山道に入り、賀陽インターチェンジで
高速道路を降り高梁市に向かいました。そこから北西に30 Km 吹屋
ふるさと村があります。この村は江戸時代からべんがらと銅山で栄えた宿場です。
映画『八墓村』のロケ地となった、広兼邸はべんがらの原料、ローハを製造
していた豪商で元庄屋の広兼氏の邸宅です。桜に彩られ、まるで城のような石垣に
守られた邸宅は200年以上もたった屋敷で壮観でした。庭の松の木は
樹齢300年と言われ、枝をぐるぐると巻いて、龍の松との異名を持っています。
「座敷の横には水琴窟がありますから、是非、音を聞いてください」。
親切なおばさんが教えてくれました。
吹屋の本山鉱山では、銅鉱石と共に硫化鉄鉱がとれます。この鉱石を
5〜6cm位に砕き、山の斜面で約1ケ月焼き続けます。硫黄分を燃やして
しまった焼鉱を溶解槽に入れよくかき混ぜ不純物を沈殿させます。
その上澄み液を煮沸釜で1日煮て濃縮し、桶に入れ冷却、結晶させローハが
出来ます。このローハ製造の技術が江戸時代に吹屋で開発された為に
べんがらの品質が向上しコストも低下し日本一の産地に成長しました。
そのローハを生産していた豪商が西江家・谷本家と広兼家で、
江戸時代宝暦元年(1751年)が始めと言われています。ローハはべんがらの
原料として、べんがら製造業の田村家・片山浅次郎家(本片山)・片山恵資家(角片山
)・片山三平家(中片山)などに納入されました。これらの立派な家はべんがら格子や
塩田瓦、なまこ壁など当時の建築技術の粋を極めたもので一般に公開されているものが
ほとんどです。建築に興味のある方にはお勧も見学コースです。
ローハは緑礬(りょくばん)とも言われ硫酸鉄の水和物で緑色をしています(FeSO4)
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