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   夢通信    衣川製鎖工業株式会社

ふいごの話 5 (7月号)

『赤々と火がもえる、大きな炉のわきで、女たちが、汗だくで、タタラを踏んでいます。
砂鉄を溶かすため、火を絶やさないように、こうして夜通し、空気を送り続けるのです。

「あら、あんた」トキが、アシタカに気づき、声をかけました。「おトキさん、私にも、
踏ませてくれないか」
タタラ踏みは、男のアシタカにとっても、厳しい仕事でした。』 『もののけ姫』の
一場面です。
踏みふいごの構造は、側面と底を粘土で固めた皿状の本体を中央で二つに区切り、
各室に吸・排気弁をつけます。そして、これにぴったりと入る『しま板』を乗せ、この
『しま板』の上下運動で
風を送る仕組みになっています。

『もののけ姫』に登場するタタラ場では『踏みふいご』が活躍していましたが、
高殿と呼ばれる建物の中で製鉄を始めたのは、江戸時代中期で、『もののけ姫』の時代には、
まだありませんでした。

左下の図は『もののけ姫』の場面、右下の図は日本山海名物図会 (1754年) に描かれた、
たたら(ふいご)の図です。

参考資料
もののけ姫 徳間書店 1997年
採鉱と冶金 日本評論社 1983年
追伸 もののけ姫のビデオが先日発売されました。

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