鍛冶道場

 4月21日〜22日、新潟県三条市の鍛冶道場に参加しました。入門者6名は岩崎重義氏宅へ昼に到着、 まずは腹ごしらえ。庭にしつらえられたテーブルには、沢山のご馳走とビール、酒、ワインなどの 準備が整っていました。初対面ですが皆は思い思いに飲み、食べ、しゃべり、食後は切り出しナイフづくり。 まず師匠が鍛接準備までの手順を見せます。 32x20mm ほどの断面を持つ、1m弱の軟鉄角棒の先端断面を 30x28x25mmほどの台形に整え、刃金(はがね)を鍛接する部分に硼砂(ほうしゃ)がつきやすいように
ギザギザを着けます。師匠は手早く、いとも簡単に作ります。『はい衣川さんやってみてください』恐る恐る ハンマーを振ると、熱く赤められた鉄でもなかなか変形しません。『もっと力を入れて』後ろで声がします。 なかなか言われた形にならず再度加熱。10分以上かかってやっとそれらしくなる。
 鍛接が面白かった、長い角棒に硼砂を撒き(まき)、刃金(今回はスウェーデン鋼)を乗せてガス炉に 挿入します。この温度になると硼砂がとけてブツブツ言います。少し待ってハンマーで叩くとほらひっつくでしょう。
 師匠の言われたようにやろうとしますが、タイミングがわかりません。アレアレ刃金が角棒からずれて しまいます。再度置きなおし、加熱して『そら今や』後ろの声に押されて、炉から引張り出し金床の上でトントン。 うまくいった!!内心喜んだのですが温度がさがり、注意してみると先端部は軟鉄だけ刃金はありませんでした。 『後で修正すればよいから』師匠の言葉に安心。鍛造・整形、夕方にはナイフらしくなりました。
 翌日、検査・再度整形・鍛造、ひずみ取り・グラインダー仕上げ・焼入れ・焼き戻・ひずみ取り・刃つけ・ 研ぎなど多くの工程を経て、何とかナイフが出来上がりましたが、鍛接と焼き入れ以外は師匠の手を煩わす ことが多くありました。

    


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