鉄と火と技  −− 土佐打刃物の今 −−

 高知県土佐刃物連合協同組合から表題の本が送られてきました。
かつき せつこ 作・画 2002年3月3日発行です。(写真参照)

 高知平野の東、土佐山田の町を少しはずれ、田の中の道を歩いていると、
どこからか、ガシャンガシャンガシャン、トントントントンと、
ものをたたいているような音が聞こえてきます。
 聞こえる方にいってみましょう。その音は小さな建物から聞こえてきます。
近づいてみると、その音はますます大きく強くなり、ゴゥーゴゥーという風の ような音ともあわさって、ひとの話し声は聞こえないほどです。

 明るいひざしのなかを歩いてきて、その建物の中をのぞくと、
中はまっくらで、ただ赤々とした炎だけが見えます。目がなれてくると、 いろいろな道具や機械のかたちがはっきりとしてきました。
ここは鍛冶屋(かじや)さんの仕事場です。鎚(つち)でたたいて鉄を伸ばしたり、 曲げたり、穴をあけたりして形づくることを、たんぞう−鍛造といいます。 たんぞうで鉄の道具をつくる人を鍛冶屋とよんでいます。
赤々と見えた炎があるところが火床(ほくぼ)でした。
火床とは、鉄を熱する炉のことです。火床のなかでまっ赤に焼けているのは、 鉄のかたまりです。鉄でものをつくっていくためには、まず鉄を熱して少しでも やわらかくします。
炉のまえにはおじさんが立っていて、長い火ばしで 火床から鉄のかたまりをとりだしました。(以下略)

子供向けの綺麗な絵本です。お送り頂いた協同組合の門田様に感謝!! ありがとうございました。

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