姫路城の石垣 21

 「扇の公配」と呼ばれるゆるやかな曲線を描く石垣をご覧下さい。
 石垣の角度を、扇の開いた形に湾曲させてありますが、こうした反りをつけることによって このように高き石垣を積む事が出来ますし、さらに攻め手がよじ登りにくい効果があります。
 また、このお城の石垣は殆どが「野面積」(のつらづみ)で、角の部分は長辺を交互に積む 「算木積」(さんぎつみ)という積み方をしています。

 「野面積」は自然石を組合わせて積むものですが、その石は表面に見える大きさの2倍半以上の 奥行きがありまして、その奥には2mないし5mもの厚みをもって栗石がいれられており、その上に 櫓や塀を築いても容易に崩れないように堅固になっております。表の隙間には、割石や栗石を詰め込んで、 石垣を登る足掛かりを防いでおります。
 石垣も築城の生んだ芸術であり、この扇の曲線は見るからに快く、お城の姿を一層美しく引きたてております。






写真は「野面積」  と 「算木積」    

  

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