赤鉄鉱  (ヘマタイト =Hematite : オーストラリア産)

磁石についた石ころ  色々の石
写真    赤鉄鉱 (オーストラリア産)              ストロマトライト (オーストラリア産)


『鉄鉱石は磁石につかない!!』そう言うと『なぜ!なぜ!!』自分で確認してくださいと言って
磁石とオーストラリア産の鉄鉱石を渡します。
『ひっつかない??』『鉄が含まれているのになぜ??』こんなやりとりが始まります。

地球誕生から46億年。現代社会は鉄で支えられた文明です。この鉄鉱石はどうして作られたのでしょう。

40億年前、灼熱の地球に初めて雨が降りました。大雨は地表を洗い流し、川となり海をつくりました。
その時、地表に含まれていた成分、(鉄や塩素などなど)は海に流れ海水中にたまってゆきました。
高温の地球は徐々に温度が下がり、海と陸のある形が出来上がり、空には雲も浮かんでいます。

38億年前、従来の酸素の嫌いな生物が海に誕生しました。そのうち、葉緑素を持って炭酸同化作用をする
変わり者が出来てきました。
藻のような生物、藍藻類です。彼らの出す酸素によって旧来の生物は酸化作用で死滅してしまい、
海の中は藍藻類の天国になり大繁殖。彼らの死骸と泥粒などによってストロマトライト(Stromatolite)
という層状の構造をもつ岩石が生まれました。27〜22億年前のことです。
又、海水中に酸素が供給され鉄イオンが酸化し、海底にたまったものが、現在の製鉄原料になる
鉄鉱石(赤鉄鉱)でオーストラリアやブラジルから輸入されています。
これらの鉱石はほとんど磁石につかないのです。

赤鉄鉱 (オーストラリア:提供新日本製鐵株式会社)

縞状鉄鉱床 提供:尾上卓生様 (関市在住)


『鉄のふしぎ博物館』   衣川製鎖工業株式会社

戻る 進む