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初めての錨鎖

 錨鎖の歴史は古い。紀元前332年、アレキサンダー大王がチル市を攻撃した とき、味方の船の錨綱を敵が切りに来るので鉄の鎖を使用した。
 紀元前カエサルがブルターニュ半島南岸のベネチ族を破った時、彼等の船は 鉄の鎖でつながれていた。などの記述が古い文書にあります。このことから 錨鎖が2千年も前から使われていたことがわかります。
 1643年、イギリスの鍛冶屋が特許を取得しました。(Phillip White) 英国海軍はそれを採用しようと考えましたが実用には至りませんでした。
 1808年、アン・イサベラと言う船がおびただしい流氷の中、錨鎖を
使って停泊していました。何隻かの碇泊船が舫綱(もやいづな)を切断され、 この船に舫綱を取ったが錨鎖が切れなかったことが評判になりました。
ちなみにこの錨鎖はロバート・フリンが、(Robert Flinn)が作ったものです。
 同じ年、シャックル、1811年、スイベルも開発され、1813年には スタッドが考案されました。これらの考案・開発により、チェーンの不便さ (キンク)が無くなり、強度が安定し連結が容易になっため、錨鎖の利用が 急速に進みました。



 右の図は江戸時代末期にオランダで作られた江戸幕府の軍艦『開陽丸』の
アンカーチェーン(錨鎖)です。 (1865年)


資料 ケーブルの変遷 飯田 嘉郎 海事史研究
   第39号 日本海事史学会 1982年