弥生時代から、銅などを溶解する炉が存在したことは確認されていますが、ふいごの形状は 全く判っていません。 動物の皮で作られたものか? 木製で踏みふいごだったのか? 興味深いところです。新聞記事は以下のようでした。 ふいごの羽口(はぐち)完形品初出土 弥生時代後期 J字形、青銅精錬に使う 滋賀県・能登川町埋蔵文化財センターは7日、弥生時代後期の環濠(かんごう)集落跡 「石田遺跡」から、青銅の精錬で使われた「ふいご」の羽口が出土したと発表した。 溶解炉の火力を強めるために空気を送り込む管形の器具で、羽口の完形品が出土したのは 国内で初めて。また羽口に付着していた金属かすから、青銅の成分になる銅、スズ、鉛を検出した。 羽口から鋼成分が検出されたのも初めてという。 羽口は土製で全長32センチ。J字形になっていて、根元部分は外径5・5センチ、内径3・7センチ。 先端部分は外径3センチ、内径2センチだった。羽口はふいごの先端部分にあたり、炉の中に差し込んで 使用されたとみられる。ふいご本体は出土例がなく、形状などは分かっていない。 出土した羽口の先端は熱で灰色に変色し、内側に微量の金属かすが付着。付近の環濠跡からは、 同じ成分の直径2〜3センチの金属かす10数点が見つかっている。 羽口はこれまで、奈良県の唐古・鍵遺跡や大阪府の東奈良避跡など9カ所で見つかっているが、 いずれも細かな破片で、全体が分かっていなかった。14〜25日、同センター (0748・42・5011)で公開する。土・日曜休館。【斎藤 和夫】 難波洋三・京都国立博物館考古室長の話 弥生後期の金属精錬の方法とその変遷を考えるうえで非常に貴重な資料だ。 周辺から鋳型や外枠、るつぼの本体などが出土する可能性も高く、今後の調査が期待される。 毎日新聞 2000年 2月 8日 による |
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