アンカー チェーンの歴史


 1994年4月26日に岩波書店より発行された、『大帆船』 (輪切り図鑑)には1805年のトラフアルガルの大海戦を戦った イギリスの軍艦の内部が輪切りで描かれています。
 しかしながら、その図を見ると、錨を留めているのは、大きな麻の ロープです。
 アンカーチェーンが生まれたのはその直後の1808年です。 それでは、ロイドの資料に基づいて年代を追て、生い立ちを記します。




1808 年 従来使われていた麻綱に代わって、錬鉄製のチェーンが
初めて船舶に使用され ました。作ったのは鍛冶屋のロバート・フリンで、
その船は『アン・イサベラ 』でした。
1813 年 他の船にも、錬鉄製のチェーンが使われました。
1816 年 鉄鎖証明(PIC-Iron Cable Proved) の記録が紹介されました。
1834 年 鉄鎖は麻綱より少し短くても良い事が決まりました。
( 6/7 の長さ )しかし、太さやテストの荷重は決まっていませんでした。
1834 年 ロイド保険業者-1760 年創立、の集まりより船舶検査部門が船級
協 会として独立し『木船構造規則』をこの年制定しました。
1846 年 チェーンはテストされ、刻印を打つことが決まり、検査官は
この証明書を見る 事が義務づけられました。
1853 年 初回の船級登録には、チェーンのテスト証明書が必要になりました。
1854年 『鉄船規則』が制定されました。
1858 年 チェーンの直径と全長の規定が決められました。ただし、公式の
試験機によっ て海軍の検査を受けた場合は、直径を細くすることが
出来ました。
1862 年 アンカーとチェーンは公式の試験機で検査する事を決めました。
この年ロイド 船級協会は、ポプラ通りの川沿いに試験場を造りました。
この試験場は 1873 年にトリニテイ ハウスに貸し出され 1875 年に
閉鎖されました。
 ( トリニテイ ハウス Trinity House ロンドンの水先案内人組合
  で水先案内の試験・灯台の建設などを業務としていました。)
1864 年 チェーンケーブル法で、引張強さのテストが必要であると決められた。

 (ロイド船級協会資料 CHAIN CABLE AND THER TESTING 1939 による)
戻る 進む