HOME > 食、グルメ > 赤穂の地酒

今後の酒造りにも乞うご期待

奥藤商事(株)

播州赤穂に「忠臣蔵」というお酒があるのをご存知ですか。やさしくまろやかで薫り高い美酒でございます。
平成24年度の新酒のおいしさを競う、「第百回全国新酒艦評会」で見事金賞を受賞した名酒です。
この「忠臣蔵」を醸造しているのが坂越の奥藤商事。創業は1601年(慶長6年)というから、由緒正しく伝統ある酒造所なのです。
銘柄は、代表の「忠臣蔵」、「乙女」など8品種がそろっています。

【大吟醸「忠臣蔵」】
平成24年度「第百回全国新酒艦評会」で見事金賞を受賞。
まろやかで薫りが高く、若い人でも飲みやすい奥藤商事自慢の名酒。

奥藤本家の18代目当主、奥藤利文さんは、平成元年家業を継ぐために赤穂へ帰り、平成3年より代表取締役に。
平成元年から、杜氏として蔵に入っていた坂本さんとともに、酒造りに携わってきました。
高齢になった坂本さんが引退した平成20年からは、若い蔵人、岩渕徹さんと二人三脚で、酒造りをしています。

昭和32年生まれの奥藤社長。
東京での会社務めを経て、平成元年、家業を継ぐために赤穂へ帰郷。
気さくな人柄に奥藤さんを慕う人も多い。
ちなみにお酒のラベルは奥様によるデザイン。

酒米は、兵庫県産「山田錦」を主とした地元のもの、仕込み水は、千種川の伏流水です。
酒造りは、10月末の蔵の掃除で始まり、造り終わって4月上旬の蔵の掃除で終わります。日本酒醸造は「一麹 二酛 三造り」といわれますが、やはり奥藤さんが一番こだわるのもいい麹作りです。
麹をしっかり造れば、いい酒母ができます。
また、最初の「洗米」の過程にも気を配ります。「洗うときに勝負が決まる。酒米に水をどれくらい吸わすのかがポイント」と言います。
「自分が主となって作り始めたのは近年のこと。自分で作るとおもしろいわ~」と少年のように語る奥藤さんのキラキラ輝く目が印象的でした。
今年は、新たな酒米「赤磐雄町」や上郡高校農業科の生徒が作る酒米などを使って酒造りをするなど新たな試みもあるそうで、ますます楽しみです。

【山田錦】
酒米の最高峰と称される「山田錦」は兵庫県の限られた丘陵地帯の棚田で生産されます。
日射量や温度など、栽培には厳然とした条件が要求される品種であり、高度な栽培技術が必要とされます。


敷地内の蔵は、1661年(寛文元年)に建てられたもの。母屋同様、白黒のコントラストが美しく、坂越の町並みによくなじんでいます。
また、郷土館もあり、大庄屋や船手庄屋も務めた奥藤家に残る昔の酒造道具、廻船業関係の資料、生活道具などを自由に見学できます。もちろん「忠臣蔵」など各銘柄の利き酒もできますよ。

酒蔵と郷土館。
母屋も蔵と同時期に建てられたもの。
古い港町の風情が残る坂越のまち並みによくなじむ。
現在では「まち歩きスポット」としても有名で、立ち寄られる観光客も多い。

奥藤酒造郷土館
住所:赤穂市坂越1419-1
TEL:0791-48-8005
営業時間:9:00-17:00
休館日:日曜・祝日
入場料:無料(ご入場の際は店内に声をかけてください)